魂(たましい)で行う療法

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魂(たましい)で行う療法

多くの同僚や、学び始めたばかりの受講生からこう尋ねられることがある。
「どうしたら先生のように“手で”できるようになりますか?」
答えはとても単純だ。

あなたには、「私の手」でしていることはできない。
なぜなら、私は私以外の誰にもなれず、他の誰も私になることはできないからだ。

私たちは唯一無二の存在である。
外見が似ていることがあっても、その奥には感情、精神、知性、環境からの影響…
それらすべてが重なり合って、私たちを「違う者」にしている。

では、誰かが私と同じようにできる道理があるだろうか?
そして、何を目的に私のようになる必要があるのだろう?
自分自身であること以上の価値が、他にあるだろうか?

技術面だけに限定して話すなら、完璧に覚えるだけでは「完璧な療法」はできない。
技の手順、ラインの数、点の位置、反復回数──
それらを正確に知っていても、それだけでは不十分だ。

宗匠・ソリン・イガ先生がこう言っていた。

「湧命法では、技術は治療の50%にすぎない。
残りの半分は、努力、献身、資質、使命感、そして…魂である。」

一見すると大げさで「スピリチュアル」に聞こえるかもしれない。
だが、言葉を取り除けば、それは純粋な現実だ。

受け手への献身がなければ、施術は乾いて無機質になる。
外から見れば立派で技術的に正確でも、
それだけなのだ。

湧命法を行えば、初心者でも熟練者でも、必ず何らかの効果は出る。
もちろん結果の質は、能力や知識量によって異なる。
それでも本質的に、湧命法は確実に働く。
今まで一度も、「何も感じなかった」という受け手に出会ったことがない。
たとえ本人が口にしなくても、目に見え、体で分かる。

ゆえに、湧命法の実践者は誰でも効果を出すことができる。
違いを生むのは──

どれだけ心を込め、
どれだけ継続し、
どれだけ学びを実践し続けるか。

これは新しいことではない。
特に宗匠の講習に参加している者なら何度も聞いたことだろう。
湧命法は、講習で教わる“技術”だけではない。

実践、継続した研鑽、そして揺るぎない忍耐。
これらこそが、受け手と向き合うその瞬間に、真の違いを生む。
治療経験があなたを成長させ、誰もが求める結果へと導く。

これこそが最大の“秘密”である。

さて、最初の質問に戻ろう。
「いつになったら先生のようにできますか?」
答えは変わらない。

── 決してできない。

だがそれでいい。
努力と粘り強さによって、あなたは
あなた自身の身体構造、資質、知識、心の姿勢に基づいた
“あなたの湧命法”を体現することができる。

そしてそれこそが──

完璧な療法を可能にする。

そして忘れないでほしい。
魂を込めること。
それが、私がしていることなのだから。

ミハイ
2013年4月25日